香川県高松市で120年以上続く大腸肛門科病院 医療法人和光会 前田病院

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内痔核(いぼ痔)

内痔核とは、肛門の内側にできる痔核です。 一般に「いぼ痔」と呼ばれることもあります。 肛門の奥のやわらかい粘膜側にできるため、初期には痛みが少なく、 出血や脱出で気づくことがあります。

排便時に血が出る、肛門から何かが出てくる、排便後に自然に戻る、 指で押し込まないと戻らないなど、進行度によって症状は異なります。

内痔核の様子断面
内痔核の様子正面

肛門からの出血は、内痔核だけでなく、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患などでも起こります。 出血が続く場合や、便潜血検査で陽性を指摘された場合は、自己判断せずご相談ください。

内痔核の主な症状

内痔核でみられる主な症状
出血 排便時に鮮やかな赤い血が出ることがあります。 紙につく程度から、便器が赤くなる程度まで出血量はさまざまです。
脱出 排便時に肛門から痔核が出てくることがあります。 進行すると、自然に戻らず、指で押し込む必要が出てくることがあります。
違和感 肛門に何かがある感じ、残便感、すっきりしない感じが出ることがあります。
粘液・汚れ 脱出をくり返すと、粘液が付着して下着が汚れたり、かぶれやかゆみの原因になることがあります。
痛み 通常の内痔核では強い痛みが少ないこともありますが、 大きく腫れて戻らない場合や、嵌頓痔核では強い痛みを伴うことがあります。

内痔核・外痔核・内外痔核の違い

痔核には、できる場所や状態によって、内痔核、外痔核、内外痔核があります。 症状が重なっている場合もあるため、診察で状態を確認することが大切です。

痔核の種類
内痔核 肛門の奥のやわらかい粘膜側にできる痔核です。 出血や脱出が主な症状です。
外痔核 肛門の外側の皮膚側にできる痔核です。 腫れ、痛み、しこりとして気づくことがあります。
内外痔核 内痔核と外痔核が合併している状態です。 脱出、腫れ、痛み、違和感などが重なってみられることがあります。

内痔核の進行度

内痔核は、脱出の程度によってⅠ度からⅣ度に分類されます。 治療方針を考えるうえで、どの程度脱出しているかが重要になります。

内痔核の程度と症状の目安
程度 症状
Ⅰ度 内痔核Ⅰ度の模式図 痔核の脱出はなく、出血や違和感が中心です。
Ⅱ度 内痔核Ⅱ度の模式図 排便時に痔核が脱出しますが、排便後に自然に戻ります。
Ⅲ度 内痔核Ⅲ度の模式図 排便時に脱出し、指で押し込まないと戻りません。 軟膏などで改善しない場合は、手術を検討します。
Ⅳ度 内痔核Ⅳ度の模式図 常に脱出している状態です。 手術が必要となることが多くなります。

内痔核の原因

内痔核は、肛門周囲の血流が悪くなったり、排便時に強くいきんだりすることで起こりやすくなります。 便秘、下痢、長時間のトイレ、妊娠・出産、長時間の座位などが関係することがあります。

内痔核と関係しやすい要因
便秘・強いいきみ 硬い便や強いいきみは、肛門に負担をかけ、痔核の腫れや脱出につながります。
下痢 下痢をくり返すと肛門が刺激され、痔核の悪化につながることがあります。
長時間のトイレ 長く座っていることで肛門周囲に負担がかかり、うっ血しやすくなります。
妊娠・出産 妊娠中や出産時の圧迫、いきみなどにより、痔核が悪化することがあります。
生活習慣 長時間座る仕事、飲酒、刺激物、冷えなどが症状に影響することがあります。

診察について

診察では、出血の状態、脱出の程度、痛みや腫れの有無、 内痔核だけか、外痔核を伴う内外痔核かを確認します。 必要に応じて、肛門鏡で肛門の内側を確認します。

診察で確認すること
出血の状態 出血の量、色、頻度、便との関係を確認します。
脱出の程度 自然に戻るか、指で押し込む必要があるか、常に出ているかを確認します。
痛み・腫れ 嵌頓痔核や血栓、炎症を伴っていないか確認します。
大腸の確認 出血が続く場合や便潜血陽性の場合は、大腸内視鏡検査を検討することがあります。

内痔核の治療

内痔核の治療は、進行度、症状、脱出の程度、出血の状態、生活への影響によって異なります。 軽症の場合は、便通の改善や軟膏・坐薬などの保存的治療を行います。

出血や脱出をくり返す場合、保存的治療で改善しない場合は、 ジオン注硬化療法、ゴム輪結紮法、痔核根治手術などを検討します。

内痔核の主な治療
保存的治療 便通の調整、生活習慣の見直し、軟膏・坐薬などで症状の改善を目指します。 Ⅰ度から軽いⅡ度の内痔核で検討されます。
ジオン注硬化療法 痔核に薬剤を注射し、出血や脱出を改善させる治療です。 切らずに行える治療ですが、適応となる痔核と適応になりにくい痔核があります。
ゴム輪結紮法 内痔核の根元をゴム輪でしばり、痔核を自然に脱落させる治療です。 内痔核のみが適応となります。
痔核根治手術 脱出が強い場合、内外痔核を伴う場合、複数の痔核がある場合などに検討します。 痔核を切除し、根本的な改善を目指します。

ジオン注硬化療法やゴム輪結紮法は、すべての痔核に適しているわけではありません。 痔核の種類、脱出の程度、外痔核の有無を確認したうえで治療方法を選びます。

嵌頓痔核について

痔核を放置していると、急に大きく腫れて戻らなくなることがあります。 これを嵌頓痔核といいます。 強い痛みを伴うことが多く、痔核が重症化した状態です。

痛みや腫れが強い場合は、まず薬で腫れを落ち着かせてから手術を検討することがあります。 痛みが非常に強い場合には、緊急で手術を検討することもあります。

急に大きく腫れて戻らない、強い痛みがある、座れないほど痛い場合は、 嵌頓痔核や血栓、膿瘍などの可能性があります。 早めに受診してください。

当院の内痔核診療について

当院では、内痔核の進行度、脱出の程度、出血の状態、外痔核を伴うかどうかを確認し、 患者さんに合った治療方法を検討します。

軽症の場合は保存的治療を基本とし、症状が強い場合や再発をくり返す場合は、 ジオン注硬化療法、ゴム輪結紮法、痔核根治手術などを状態に応じてご提案します。

診療で大切にしていること

  • 出血、脱出、痛み、腫れの有無を確認します。
  • 内痔核の進行度を確認し、治療方針を検討します。
  • 内痔核だけでなく、外痔核や内外痔核を伴っていないか確認します。
  • 保存的治療、ジオン注硬化療法、ゴム輪結紮法、手術の適応を判断します。
  • 出血が続く場合は、大腸の病気が隠れていないかも確認します。

受診の目安

次のような症状がある方は、一度ご相談ください。

  • 排便時に血が出る
  • 便器が赤くなるほど出血する
  • 排便時に肛門から何かが出てくる
  • 脱出したものを指で押し込んでいる
  • 常に肛門から出ている感じがある
  • 肛門の違和感や残便感が続いている
  • 急に腫れて強い痛みがある
  • 便潜血検査で陽性を指摘された
  • 痔だと思っているが、大腸の病気が心配

出血や脱出をくり返す場合は、症状が進行していることがあります。 また、血便の原因が痔以外の場合もあるため、早めにご相談ください。

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